2020年春は新型コロナウィルスの影響で、現地調査や出張に行けない日々が続いています。
感染後の重篤化リスクが高い方々へ感染させない、
また、医療機関・医療従事者の方の負担を増やさないためにも、
外出自粛に納得・同意し、日々の生活を送っています。
せっかくなので、
普段行わないことにもチャレンジしてみようと思いました。
異文化に思いをよせて
ちょうど、
4月23日〜5月23日まで、イスラム教のラマダン月ということで、
自分もイスラム教のラマダンを体験してみようかな、と思いつきました。
初めてイスラム教のラマダンを知ったのは、大学生の時でした。
神戸のモスクに見学に行き、初めてイスラム教に関する話を聞いたときのことです。
その時は、
モスクで付けたバラ水(ローズウォーター)の香りがとても素晴らしかったことが
一番、印象に残っていました。
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神戸ムスリムモスク
http://kobe-muslim-mosque.com/news/
ラマダンについて知識・関心が深まったのは、
さらに、大学院で海外語学研修中やドイツの研究滞在の時。
実際に自分のまわりの学生、同僚がラマダン月の断食を実践していて、
その考え方と信心深さに衝撃を受けました。
そもそも ラマダンとは?
そもそもラマダンとは、
断食 と認識されていますが、
イスラム教の暦で9月「ラマダン」のこと。
断食だけではなく、
「体のすべての器官を正常に保つ(斎戒)」
「日の出から日の入りまで、食べることや飲むことだけでなく、喫煙や性行為も禁じられている」
(出典:『サトコとナダ』から考えるイスラム入門 ムスリムの生活・文化・歴史 )
神聖な1ヶ月間 とされているようです。
※なおイスラム暦は、354日とする太陰暦で、西暦622年を元年としています。
西暦2020年はイスラム暦で1441年です。
このラマダンの期間、宗教行事として、
イスラム教の方はさまざまな行いをされるみたいです。
日の出から日の入りまで、
上述の斎戒の一貫として、
嘘をつかない、人の悪口を言わない、
お布施や寄付、ボランティアに取り組むなど、
善人としての振る舞う必要があるそうです。
ただ、全員が全員斎戒をしなければならないわけではないようです。
その話を聞いて少しホッとしました。
「斎戒をしていいのは心身ともに健康な人に限られています。
子供や老人はもちろん、病気であったり、体が弱かったり、
妊婦や授乳中の女性、月経や産後の出血のある女性は含まれません。
また旅行中の人も免除の対象になります。しかしその場合、免除された斎戒は
旅行が終わったあとで行う必要があります。」
(出典:『サトコとナダ』から考えるイスラム入門 ムスリムの生活・文化・歴史 )
さて、
これまで出会った方から話を聞いて、
私が考えた断食の意義、目的は以下です。
①.自分と向き合い、他者を思いやるDiscipline(鍛錬)である
②.普段満足に食事をとれない人々に思いを馳せ、食事・水を摂れない辛さを実感する
③.自分の欲望や弱さを知り、コントロールする
④.よい人間になるよう努める(寄付やチャリティーに参加する、人の悪口を言わない)
彼らから話を聞くと、
ラマダンをとても前向きに捉えているし、
宗教行事として自分を成長させる機会であるとともに、
ラマダンの終了時や毎日の夕食では、家族や大切な人と過ごす大事な時間でもあるのだな、と感じました。
昔の日本でみられたであろう、信心深い仏教徒の修行にも通じるものを感じました。
とはいえ、
1ヶ月もの間、日の出から日の入りまで、
規律を守る精神力はとてつもないもののように感じます。
ということで、
ラマダン(断食等)を実践されている方々に、私は尊敬の念を持っております。
(ムスリムではありませんが)
この親近感と敬意こそ、異文化理解。
せっかく話を聞かせてくれる知人もいることだし、
外出自粛期間中の週末にラマダンを実践してみようと思いました。
急にはできないので、
情報収集をして、必要なものを準備をしていきます。