· 

サイエンスカフェはじめました

ひさしぶりの投稿になってしまいました。

 

本年度4月から、母校人間科学研究科の特任助教として、

放射線のリスクコミュニケーションに関わっています。

 

そこで、

どれだけデータや論拠があっても、現地で不安を語ってもらったり、
それを聞いて研究成果とともに意見交換を行う、そういった形のリスクコミュニケーションが重要だと再認識しました。

 

きっかけ

 

きっかけ 2021年10月、中学校の総合学習で、SDGsと仕事 というタイトルの講演
そこで、自分が話している内容が「研究者ことば」のままになっていたことに気づきました。

 

それも、終わってから。。。

 

 

エネルギー問題が生活に身近であるということ、

離島振興の政策の課題、

化石燃料由来のエネルギーの問題点・利点、

再生可能エネルギーの重要性と課題、

話したいことはあるのに、全然伝わっている感触がなく、とても落ち込みました。

 

 

エネルギー問題も、気候変動も、生態系の劣化も、

世代間格差が大きいです。だからこそ、子どもたちに伝えていくことが重要。

これは多くの課題で共通なはずです。だからこそ努力したいと思いました。

サイエンスカフェ 研究者と市民 グローバル・ローカル 次世代と現代の重層的な視点から議論する

 

カーボンニュートラルの宣言がでて、

国内で再生可能エネルギー産業が一気に活性化してきました。

 

そこで、大きなしわ寄せが来ています。

 

産業、規制、計画といった環境政策の基本が整わないうちに、

再生可能エネルギー事業がたち始めたために、

国外、地域外の開発が進み、地域に急に話が持ち込まれるという事態になっています。

長崎県でも、洋上風力発電のゾーニング事業が行われていますが、
その対象地では戸惑いも生まれています。

 

一方で、生態系や気候変動の影響を受けるのは弱者、です。

島に住んでいる方は、自然の影響を強く受けます。
都市部に比べてインフラも、途切れてしまう可能性もあります。

 

そういった、世界規模での地球温暖化や気候変動というグローバルで長期的なリスクと、

ローカルな生態系の劣化に伴う、地域産業の衰退はつながっています。

 

他方で、

気候変動の解決策である再生可能エネルギーにも、

その開発の仕方次第で、甚大な影響を生態系や自然、生活環境に及ぼす可能性があるのです。

地球温暖化は、人為的な影響の可能性が高いと言われていて、
かつ、その解決は努力次第で可能だとされています。

 

その解決策として、

洋上風力発電や太陽光発電は、地球温暖化非常に重要です。

ただし、
再生可能エネルギーは地域分散型のため、多くの土地を必要とします。
また自然豊かな山林、近海を利用することも多いため、
地域の生態系や景観を壊しかねません。

だからこそ、

グローバルな気候という長期的な課題と

生活に密接した現地での開発の影響(良い面も悪い面も)をどちらも認識しつつ、

議論する必要があります。

 

 

母校の大阪大学はコミュニケーションデザインセンターというところで

そういったサイエンスコミュニケーションのグループワークの授業が開講されていたので、

サイエンスカフェ、について聞いたことがあり、イメージもわきました。

※現在はCOデザインセンターという組織に変わっています。

 

実践研究を行う身としてまずはやってみようということで、

対馬で、離島のエネルギー問題についての、サイエンスカフェを開催することにしました。

今年度は偶然にも
県民ボランティア財団の助成を受けることができました。

 

新型コロナウィルス感染症の影響で、当初の計画どおりとはいきませんが、
年度内もう一回開催予定です。

 

どういった雰囲気になるかわかりませんが、
こういった取り組みこそ、エネルギー転換を進めていくのに必要だと、確信しています。