今年は、北海道や東北など、通常台風がめったに訪れない地域での台風被害が目立ちました。
台風の被害には気をつけねばいけないのですが、一方で、台風には豊かな資源を育む役割があることも知られています。
台風がくると、海には、山から大量の土砂とともに陸の栄養が流れ込みます。
海が大時化になることで海底がかき混ぜられ、栄養が海の隅々までいきわたるのです。
これらの作用で貝類や海藻が育ちやすい環境が作られます。
離島のエネルギーについて研究をする前、
対馬市の磯焼けについて、半年間調査を行っていました。
調査をしていた時、「海が豊かな海であり続けるためには、たまに強力な台風が必要だ」
と漁師さんが言っていました。
台風が来るとその言葉を思い出します。
島育ちの私にとっては、
台風は怖くて、用心しなくてはならないものであっても、
なくてはならないものでもあります。
大阪に来てから、台風のない初秋はどこか物足りなく感じていました。
母なる海の仕事人、台風。
台風の強風によって、風力発電の風車が故障したり、
エネルギーシステムの管理運用にも影響を与えることもあります。
でも、台風は我々、人間にとって必要なものであることを考えれば、
台風やその他の自然災害にも耐え、乗り越えるエネルギーシステムの構築が
日本の島々には必要不可欠だと再認識します。
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